会社用に新しくパソコンを作ったので、自分自身への健忘録的な意味合いを込めて、自作PCのポイントなどの記録を残しておこうと思います。今回の記事はまさにブログのタイトルどおり、技術ノートです。
目次
この記事の対象者
この記事は主に自作パソコンの初心者を対象に書かれています。
自作の中級者以上の方には参考になる内容ではないので、中級、上級者の方が間違ってこのページに来られた場合には、このまま立ち去るか、何か有益なアドバイスをください。
- 自作PCに興味がある人
- 自作PCを作ってみたい人
- 自作PCを作っている最中の人
など、この記事が何らかのお役に立てば幸いです。
前回の準備編に引き続き、今回は実際に組み立てていく組立編です。
組立編は1記事で行く予定だったのですが、思いのほか長くなってしまったので2記事の構成にしました。組立編その1は電源、CPU、CPUクーラー、メモリの取り付け、マザーボード取り付け、主なケース内の配線接続までです。自作PCで最もややこしい部分はこの記事でおおよそ網羅していると思います。
今回の自作パーツの全ての詳細については準備編で紹介しています。
【2017年版】仕事用の安定した自作パソコンを作る【準備編】
【2017年版】仕事用の安定した自作パソコンを作る【組立編その2】
自作パソコン作成その1(ケース内マザボ設置まで)
必要な道具
見てのとおりですが、今回パソコンを自作するにあたり、とくに準備らしい準備はしていません。
時間もなかったので、家にあったものを使い、もし足りなかったら買おうかなくらいの勢いでした。実は自作パソコンにはそれほど準備は必要ありません。ただ、何もなければ困ることもあるため、最低限このくらいはあったほうが良い、という例です。
静電気対策用の手袋
TRUSCO 静電気対策用手袋L
静電気対策用の手袋です。CPUやメモリ取り付けなど、マザーボード周辺をいじくる際に使用します。特にメモリなんかは静電気の影響をモロに受けやすいパーツです。素手でもできなくはないですが、手袋をはいていたほうが圧倒的な安心感があります。
明るめのLEDライト
FENIX PD35 (2014 Edition)
内部を照らすのに使用します。ケース内は暗くて見にくい部分もあるので、LEDなどの白くて明るめのライトがあるとかなり重宝します。僕はキャンプ用に以前購入した超明るいライトFENIX PD35を使用しました。
このライトの明るさは尋常じゃないです。ターボモードは直視できないほどの明るさになります。明るさ自体も5段階に変更できるので多用途に使えるため、専用のディフューザー(ライトを全方向に拡散させるためのカバー)と一緒に個人的にかなりオススメしたい一品です。
ライトを蛍光灯のように光拡散してくれるディフューザー
ドライバー(プラス、マイナス)
プラスドライバーとマイナスドライバーが各種あると良いと思います。セットでホームセンター等に売っている安いもので大丈夫です。
CPUの取り付け
マザーボード(H170 Pro)にCPUを取り付けます。マザーボードを箱から取り出し、そのままマザーボードの箱の上に乗せて作業します。
CPUの取り付けは、一番はじめにやることでありながら、最も緊張する部分です。ここで失敗すると、CPUやマザーボードが一瞬にして終わる可能性があるため、あせらず慎重に行います。
CPUを設置する部分
マザーボード上の赤枠の部分がCPUを設置する場所です。まずは右の留め具をグイッと押してカバーを上方へ引き上げます。
CPUソケット部分
カバーを引き上げると、無数のピンが生えているCPUソケットと呼ばれる部分が見えてきます。CPUはこの部分にソッとのせてあげるようなイメージで置きます。間違ってもここにCPUを落下させないように注意します。CPUが持ちづらく滑りやすいのでゆっくり慎重に。
CPUをのせた状態
CPUを置く向きは決まっています。このマザーボードは左下に丸印がついています(下の拡大参照)。この丸印の位置と、CPUの三角の矢印が合うように置きます。
CPUを置いたら、横の留め具を元の位置にグイッと止めます。CPUソケットのフタがCPUをグググっと押し付けて固定されます。プラスチックのカバーはこの時点で自動的に外れます。
このプラスチックのカバーはマザーボード修理の際などに使用することがあるので、大事に保管しておいてください。
CPUクーラーの取り付け
CPUを固定したら、次にCPUクーラーを取り付けます。
CPUクーラーがCPUと接する部分には新品の場合には最初からグリスが塗ってあります。中古で購入した場合にはこの部分に塗布する熱伝導グリスが別途必要になります。
CPUクーラー
CPUクーラー取り付け穴
マザーボードのCPUソケット周辺の開いている4つの穴にCPUクーラーの4つのピン(赤丸部分)を差し込みます。押し込んでいくと「カチッ」と音がします。少し力が必要ですが、必ずカチッと音がするまで押し込んでください。
差し込む順番は、左上、右下、右上、右下といった具合に対角線となるように止めたほうが良さそうです。
CPUクーラーのファン用の配線をマザーボード上のCPU_FANの位置に差し込みます。
CPUクーラー取り付け
メモリの取り付け
今回は8GBを2枚購入しています。4枚購入している場合には何も考えずに全部さしても問題ありませんが、2枚の場合にはメモリをさす場所があらかじめ決められている場合があります。この辺はマザーボードの説明書をみて判断してください。
メモリの切り欠き
メモリには差し込む向きがあります。よく見ると切り欠きがついていて間違って反対に差せないようになっています。
メモリのさし方ですが、片側(マザーボードによっては両側にある)のツメを開いて、切り欠きの位置に注意しながらメモリを上からまっすぐさしこみます。
両手の親指の腹を使ってググッと押し込んでいくと、さきほど開いたツメが戻ってメモリをロックします。ツメが戻って確実に「カチッ」と音がするまで押し込んでください。
余談ですけど、メモリの金属部分(マザーボードと接する部分)は静電気の影響をモロに受ける部分なので、決して触れないようにしてください。
電源の取り付け
マザーボードが終わったら次にケース側に移ります。まずは電源の設置から。
製品保証は大事
余談ですけど、電源の箱に製品保証シールが貼ってあるので間違って捨てないようにしてください。
製品保証シールがないと何かあったときにメーカーの保証が受けられません。自作PCのほとんどのパーツに言えることですが、製品保証を受ける際に必要になる場合があるため、箱や説明書、購入時のレシート等、その他全てのものを保管しておくことをオススメします。
無駄に配線の多い電源について
電源からは訳の分からない配線がアホみたいに無数に飛び出ていて、自作初心者はとっても憂鬱な気持ちになるかもしれませんが、安心してください、ほとんどの配線は使いません。
自作PCの様々なニーズに答えるためだけに電源からたくさんの配線が出ているのであって、多くの場合、実際には使うのは太い電源ケーブルとちょこちょこした電源数本のみです。
電源はケース下部に置いてケース外側からビス止めします。
ケース内電源の設置場所
電源の設置完了
ケースにマザーボードを取り付け
マザーボードを設置する前に、ケース内にマザーボード付属のI/Oパネルを固定します。これ、意外と忘れがちです。
I/Oパネル
I/Oパネルはケースの裏側からはめ込むように固定します。I/Oパネルの穴の開いている部分にマザーボードの入出力端子部分(モニタ出力やUSB端子など)が顔を出すようなイメージです。
I/Oパネルを固定したら、ケース内にマザーボードをビス止めするための六角スペーサーを設置します。
六角スペーサー
マザーボードの種類によってビス穴の位置が違うので、一度マザーボードをケース内に仮固定してみて、穴の位置を確認します。
マザーボードの固定穴
このマザーボードには6箇所の穴が空いていました。右側の真ん中は突起があり、マザーボードにそのままハマる形状になっていました。ここには六角スペーサーは付けません。
該当する部分(5箇所)にスペーサーをねじ込みます。手回しでもいけると思いますが、まれにケースのネジ穴がきちんときれていなくて固い場合があります。今回のケースにはスペーサーをねじ込むための専用工具?が付属していたので使用しました。
六角スペーサー用の専用工具
ちなみに六角スペーサーは、マザーボードをケースから浮かせるためのものなので、それほどギチギチにネジを締めつける必要はありません。5本のスペーサーが感覚で均等な力加減で締まっていれば良いと思います。
スペーサーの上にマザーボードを置いて、付属のビスで5箇所をネジ止めします。
各種配線の取り付け
ケース内にマザーボードを固定したら次に各種配線コネクタをマザーボードに取り付けしていきます。個人的にはこのあたりがいちばん自作自作している作業なのではないかと思います。
ATX24ピンメインコネクタ(マザーボード用電源)
電源から出ている24ピンのコネクタです。一番太い配線なので見た目ですぐにわかると思います。これがメインの電源配線です。
すべてのコネクタに言えることですが、コネクタ類はすべて差し込む向きが決まっていて逆に入るようになっていません。事故防止のために入るところにしか入らないようにできています。引っかかりがなくスムーズに入る方向にカチッ音がするまで確実に押し込みます。
ちなみにメイン電源の配線は長いので、一度裏側に通してから表側に持ってきました。直接つないでも良いのですが、裏に回せるときにはできるだけ裏側に回したほうが見た目にもスッキリするし、風通しも良くなるので冷却的な性能も上がると思います。
EATX12V 8ピンコネクタ
CPUに電流を供給するために必要なコネクタです。こちらも電源配線より8ピンの専用ケーブルが出ています。CPUの左斜め上方にあるコネクタに差し込みます。
CPU用電源コネク
こちらもケース裏側に配線を通してスッキリさせました。画像が少しわかりにくいかもしれませんが、画像上部に見えている裏配線用の入口を通して8ピンコネクタに接続しています。
USB用コネクタ
ケースのフロントボードについているUSB端子を利用するためのケーブルです。こちらは最初からケース内に配線されています。
青いコネクタがUSB3.0用のコネクタです。USBと印字してあるのが2.0用のコネクタです。マザーボード下部にはそれぞれUSB3.0用のピンヘッダ、USB2.0用のピンヘッダが用意されています。
コネクタ内のピンの本数と、マザーボードのピンヘッダの形状を見れば差し込み場所、差し込み方向がわかると思います。ピンを折らないように注意しながらゆっくりと差し込みます。
HD AUDIOコネクタ
PCケースのヘッドホンやマイク端子を利用するためのコネクタです。最初からケース内に配線されています。
HD AUDIOコネクタ
ケース電源やLEDなどの各種ピンヘッダ
ここがはじめて自作する人がつまづきやすいポイントなんじゃないかなと思います。まず見た目に意味がわかりません。説明書を読んでもあまりピンときません。
この部分は配線を簡単にまとめられる専用コネクタが付属している場合もあるのですが、今回のマザーボードには専用のコネクタがなかったので、1本1本確認しながらピンにさしました。あせらないでよくよく見てみると実はそれほど難しくないです。ピンヘッダの左から8ピンまでを使用します。
LED関連の配線に関してはプラスとマイナスがあります。それ以外はプラス・マイナスどちらにつないでも大丈夫です。
ケース配線は主に以下の4種類です。それぞれ個別に説明していきますので、配線図を確認しながら読み進めてみてください。
配線図
赤 PWR_LED(PLED+,PLED-)
電源スイッチを入れた時にLEDを点灯させるための配線です。プラス・マイナスがあります。配線図左上の2ピンを使用します。それぞれの配線にプラス、マイナスが書いているので該当の位置に差し込みます。
青 HDD_LED(+-セット)
ハードディスクの読み込み時にLEDを点灯させるための配線です。プラス・マイナスがあります。配線図左下の2ピンを使用します。プラスとマイナス2本の配線がセットになっているので、向きを間違えないように差し込みます。
ケースによって違いはありますが、このケースの配線は白がプラス、黒がマイナスで統一されているようです。
緑 PWR_SW(+-セット)
電源スイッチの配線です。配線図右上の2ピンを使用します。プラス・マイナスは関係ないので単純に文字が見えるように差し込みました。
黄 RESET(+-セット)
リセットスイッチの配線です。配線図右下の2ピンを使用します。こちらもプラス・マイナスは関係ないので特に何も考えずに差し込みました。
配線完了
ケースファン用コネクタ
ケース内フロント側と背面側に付属されている2基のファンを動かすためのコネクタです。最初からケース内に配線されています。
フロント(前面ファン)用コネクタ
背面ファン用コネクタ
それぞれマザーボード上のCHA_FAN1とCHA_FAN2と書いてある部分に接続します。
次回、組立編その2 完成
長くなってしまったので今回はここまで。
次回、組立編その2でグラフィックボードの取り付け、起動用SSDの取り付け、起動テスト、HDD、DVDドライブの取り付け、Windowsのインストールといった行程で完成します。
【2017年版】仕事用の安定した自作パソコンを作る【準備編】
【2017年版】仕事用の安定した自作パソコンを作る【組立編その2】