ビルトイン食洗機の水漏れセンサートラブル修理、食洗機の取り外し方

ビルトイン型の食洗機
ビルトイン型の食洗機

「ピーピーピーピーピー」

ある日のこと、これまで聞いたことないような警告音と共に家の食洗機が止まりました。突然の出来事でした。

エラー表示
エラー表示

エラーは強力ランプと少量ランプが点灯したまま止まるというエラーです。マニュアルをダウンロードして調べてみると、このエラーは水漏れセンサーの異常で、食洗機としては定番のエラーのようです。

おそらく、食洗機の内部のどこかで水漏れが発生していて、内部に溜まった水により、強制停止された、という類のものです。

食洗機の寿命はおおよそ10年らしいですね。うちの食洗機はPanasonic製(NP-P45VD3S)の10年以上前の食洗機です。これまで何度か小さなトラブルも出ているし、そろそろ新品取り替え時期かな、と思いました。

Panasonic NP-P45VD3S

どうせ取り替えるなら、その前に自分で見てみようかな

というのが今回の動機です。なんだかんだ言っても今は調べれば大抵のことはわかります。自分のやる気と行動力の問題です。

というわけで、今回はビルトイン型の食洗機の取り外し方と、水漏れセンサーのトラブルを解消できた話です。食洗機の取り外しって一見難しそうですけど、やってみると意外と簡単でした。工具があれば、の話です。

スポンサーリンク

個人的にあった方が良いと思う道具、工具類

食洗機の取り外しに際して、自分が作業してみて実際に感じた「これだけは絶対に用意しておいたほうが良いと思える道具、工具類」がありますのでご紹介します。

モンキーレンチ(小型タイプ)

トラスコ モンキーレンチ TRMW-30
トラスコ モンキーレンチ TRMW-30

個人的にはこれは最も必要な工具だと思います。給水パイプのナットを取り外すのに使います。

僕は持っていなかったため、手持ちのウォーターポンププライヤーで無理やり回りしたので、死ぬほど時間かかってしまったし、何より体力を猛烈に消耗しました。給水パイプのナットの取り外しは、恐ろしく狭い奥地での作業なので、ナットを取り外すだけの簡単な仕事なのに難易度が高いです。

工具の重要性を感じました。おそらくこれがあれば、一瞬で終わった作業です。小型のモンキーレンチ、ほんと必須です。

ドライバー類

中、大型くらいのドライバー(プラス、マイナス)は必要です。これはホームセンターで売ってる安物でも何でも良いと思います。

プラスドライバーは食洗機を固定するサイドパネルや本体裏カバーを外すのに使います。マイナスドライバーは止水栓を回すのに必要になります。

個人的には電動ドライバーで、汎用性の高い6.35mmの六角ビットを装着できる以下のようなタイプが楽なのでオススメ。6.35mm六角ビットはホームセンターでも様々なタイプが売られているので追加購入することで汎用性が上がります。

さらにグリップにゴムが付いていて、太くてしっかりとしていて、手動と電動両方に対応しているVESSELのこちらの電動ドライバーが超絶オススメです。ドライバーについては開封レビュー動画もあげているので気になる方は参考までにどうぞ。

3000円で買える幸せ ベッセル(VESSEL)の電動ドライバーがとても素晴らしい

レジャーシート(防水・厚手タイプ)

レジャーシート

防水・厚手のレジャーシートは個人的には絶対に必要だと感じました。こちらもホームセンターで売っている安物で十分です。防水でクッション性の高い厚手タイプがオススメです。

これは食洗機を下ろす時に水がじゃばじゃば漏れまくるので、キッチンを汚さないためです。その他に、床に下ろす時に、キッチン床や食洗機本体を傷つけない重要な役割も担っています。

食洗機の取り外し、修理行程

食洗機の取り外しと修理に関しては、大きく分けて以下の行程があります。これは僕が実際に行った行程です。以下の動画で詳しく解説しています。

食洗機の良くあるトラブル 水漏れセンサーエラーの修理 取り外し方、注意点など
  1. 食洗機下のレール引き出し外し
  2. 電源コネクタ、給排水パイプ外し
  3. 前ずれ防止金具、サイドパネル外し
  4. 食洗機引き出し
  5. バックパネル(アルミ外し)
  6. 水漏れセンサー確認
  7. パイプ類の亀裂確認

以下に一つずつ説明していきます。

1、食洗機下のレール引き出し外し

ビルトイン型の食洗機下には引き出しが入っています。

食洗機下の引き出し
食洗機下の引き出し

まずはこの引き出しを引き出します。少し上に上げると、引き出しユニットがレールから外れます。

引き出し外し
引き出し外し

2、電源コネクタ、給排水パイプ外し

食洗機下側
食洗機下側

写真は食洗機下を覗き込んだ状態です。電源コネクタとアース、給水、排水パイプがあります。

まずは電源コネクタを抜きます。同じくネジを外してアースも取り外します。

電源コネクタ外し
電源コネクタ外し

給水パイプ外し

止水栓を締める
止水栓を締める

右端にある止水栓をマイナスドライバーで右回しして締め込みます。ネジを止まるまで締めると、水の供給が止まります。これで水が漏れることなく給水パイプを外すことができます。

給水パイプは比較的大型のナットで止まっています。ここで小型モンキーレンチを入れてパイプネジを緩めます。かなり狭いのでこの作業は地味に大変でした。

給水の大型ナット
給水の大型ナット

僕の場合はモンキーレンチが用意できなかったのでウォーターポンププライヤーで無理矢理外しましたが、腕が本気で死にました。モンキーレンチなしでやっちゃダメ。ゼッタイ。

排水パイプ外し

排水パイプ外し
排水パイプ外し

排水パイプは外しやすそうな部分を外せば良いと思います。僕は一番パイプが細い部分を外しました。

パイプを固定する金具を取り外して、後は力で引き抜きます。引き抜くときは、単に真っ直ぐ引っ張るのではなく、グイグイと左右に回すように力を掛けながら引っ張ると良いです。

3、前ずれ防止金具、サイドパネル外し

前ずれ防止金具を外す
前ずれ防止金具を外す

食洗機下に前ずれを防止するための金具が入っています。この辺の固定具に関しては、食洗機によって違うかもしれないので、ご自分の使っている食洗機の構造をよく見て判断してください。いずれにしてもそんなに複雑な構造にはなっていないので、冷静になって見てみると分かると思います。

前ずれ防止金具を外す2
前ずれ防止金具を外す2

機構はとても単純で、L字の金具は食洗機が出てこないように物理的に抑えているだけで、L字金具自体は棚に穴を開けてネジ止めしているだけです。

L字の金具とサイドパネルが組み合わさるようにハマっているので、まずは下のL字金具を外し、それから横のサイドパネルを外します。

サイドパネル外し
サイドパネル外し

4、食洗機引き出し

前ずれ防止金具とサイドパネルが外れると、後は食洗機がフリーになります。手前にゆっくり引き出すだけで、食洗機がユニットごと外れます。

食洗機引き出し
食洗機引き出し

食洗機内に水が溜まっていると、赤矢印の部分から水が漏れてきます。レジャーシートを床に敷いておくことを強くオススメします。

ちなみに、食洗機本体は見た目ほどに重くはありませんが、女性や腰痛持ちの方はお気をつけください。

5、バックパネル(アルミ外し)

アルミパネル外し
アルミパネル外し

食洗機背面には、アルミのパネルがついています。周りのプラスネジを取り外し、パネルを外します。このアルミパネルはとても柔らかいので、取り外したあとは曲げないように気をつけましょう。

6、水漏れセンサー確認

水漏れセンサー確認
水漏れセンサー確認

これが食洗機の内部です。下にある白いプラスチックパーツが水漏れセンサーです。上には水位センサーもありますが、今回はこちらは関係ありません。

センサーは2本の電極で構成されています。庫内に水が溜まってくると、この電極が水に触れてショートし、異常を伝える仕組みになっています。とても単純な機構ですが、多くの食洗機には未だにこの方式が採用されています。

水漏れセンサー 電極確認
水漏れセンサー 電極確認

当然庫内は水が溜まっている状態です。まずはこの水を全て外に出さなければなりません。

庫内に溜まった水を出しているところ
庫内に溜まった水を出しているところ

食洗機を抱えて風呂か外に出ても良かったのですが、面倒なので僕はレジャーシート上に水をぶちまけました。ぶちまけつつ、雑巾で水を吸い取り、絞って、またぶちまけて、吸い取り…を繰り返します。

7、パイプ類の亀裂確認

水漏れ原因の特定フェーズ
水漏れ原因の特定フェーズ

庫内の水を除去すると、食洗機エラーはまずは解消されると思います。ただし、どこかから水が漏れているから水が溜まっているわけで、水漏れの原因を探らなければまた同様のトラブルに悩まされることになります。

水漏れの原因の多くはパイプ接合部などの亀裂や破損です。まずは見えている部分のパイプ類の接続部を全て確認します。ここで亀裂が見つかればラッキーですが、パイプ類はとてもキレイで、亀裂が入っている箇所はありませんでした。

諦めかけたその時、一箇所パイプ外れを発見。

パイプ外れを確認
パイプ外れを確認

どうやらこれが原因で、ここから水が漏れていたようです。このパイプが何をする部分なのかはわかりません。ただ、外れていることが異常だということは素人目にもわかります。

とりあえず外れたパイプを元通りつけ直して、食洗機を戻し、修理完了でした。

普通に動いてます

交換を前提に、ダメ元で取り外してみた食洗機が、意外にもあっさり直ったので、本気でやってみてよかったなぁと思ってます。

この記事を書いている時点ですでに修理後2ヶ月半が経過しています。が、まるで何事もなかったように普通に稼働しています。業者呼んでいたら出張料やら工賃やらで、それなりの修理費を請求されるところでした。自分でやってみてよかったと心から思います。

食洗機トラブルでお困りの方、試してみる価値はあると思います。

※ただし、修理に関してあくまでも自己責任でお願いします。壊してしまったら、もとに戻せなくなったら、それは単にあなたのせいです 笑

この記事をお届けした
satoの雑技術ノートの最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!
スポンサーリンク

フォローする

『ビルトイン食洗機の水漏れセンサートラブル修理、食洗機の取り外し方』へのコメント

  1. 名前:‪α‬κιο 投稿日:2023/08/21(月) 12:05:31 ID:40b317bf6 返信

    偶然たどり着いた記事でしたが、全く同じ場所が外れてました。
    すごく参考になりました、ありがとうございます。

    • アバター画像 名前:sato001 投稿日:2023/08/21(月) 13:00:27 ID:a9347947a 返信

      コメントありがとうございます。
      けっこうよくある事例なのかもですね。