僕は2年ほど前から、ぺんてるのオレンズ(0.3mm)というシャープペンシルを愛用しています。仕事でも、また資格試験の勉強でも、このシャープペンシルは非常に重宝しています。
今回はこのオレンズの究極の進化系シャープペンシルである「オレンズネロ」を衝動買いしたので、今更ですけどレビュー的なことを書いてみようかと思います。
はっきり言っちゃいますけど、オレンズネロはヤバすぎです。
目次
オレンズネロ orenznero
(出典: ぺんてる株式会社 オレンズネロ)
ユーザーではない。オーナーになるのだ。
このキャッチからわかるとおり、オレンズネロはただのシャーペンではないのです。値段もシャープペンシルという枠から考えると高いです。高級感を漂わせるデザイン、そしてマットブラックという落ち着いた色使い。ただものではありません。
まずはノーマルオレンズを知ってほしい
※上2本が0.2mm、下が0.3mm 個人的オススメは圧倒的に0.3mm
オレンズネロを紹介する前に、普通の「オレンズ」というシャープペンシルを知る必要があります。ここでは便宜上ノーマルオレンズと称します。
このオレンズというシャーペンの何がすごいって、芯をほとんど出さないで書けるところ、なんです。芯をほとんど出さないので、当然ながら芯がほとんど折れません。
書き始めにワンノックするとガイドパイプ(シャープペンシルのペン先の部分)と一緒に芯が出てきます。このガイドパイプは通常のシャーペンと違って固定されていないので、重力でストンと落ちてきます。
ガイドパイプが固定されていないので、芯が減ってくる(短くなる)と同時にガイドパイプも本体内部に引っ込みます。そのため、シャープペンシルで必要な芯出し(カチカチ)作業がかなり軽減される仕組みです。
これがオレンズシステムと呼ばれるものです。
僕はこの機能にすっかり魅了されてしまい、これまでにノーマルのオレンズ0.2mmタイプ2本、0.3mmタイプ1本を購入しました。
0.2mmは個人的な環境から芯の入手コストが高く、ガイドパイプがあたってかすれる感じが個人的に合わなかったので、今は0.3mmを常用しています。
ノーマルオレンズの欠点
ノーマルオレンズには欠点があります。これは僕が実際に感じていることです。
先に記載したとおり、ノーマルオレンズは芯が減ってくると、ガイドパイプも引っ込んでいきます。これにより、徐々にシャーペンの先が短くなっていきます。
ずっと文字を書き続けているとすぐわかりますが、シャープペンシルの先が1mm短くなると少し違和感を感じてきます。さらに書き続けて2mmくらいペン先が引っ込むと、もはや違和感しかなくなります。とっても書きにくいです。
人間の手先の感覚というものは意外に鋭いのです。
オレンズの場合、ここでワンノックすると元の状態に戻るので、違和感を感じたらワンノックすれば良いだけなので、慣れるとこれでも使いやすいです。
普通のシャープペンシルよりもノック回数は圧倒的に少ないです。
ノックしないオレンズネロ
オレンズネロ(orenznero)の最大の特徴は 一度芯を出したらカチカチすることなく最後(芯がなくなる)まで書き続けられる ところです。
最初にカチッと1ノックするだけで、あとはボールペンのような感覚で延々と書き続けられます。シャープペンシルに必須なカチカチ(芯出し)作業が全くいらないのです。もうトリハダものです。
さらに、オレンズの欠点といえる、「芯が減ってくるとペン先(ガイドパイプ)が短くなり違和感を感じてしまう」ということも解消されています。
ガイドパイプの長さは常に変わらず、芯だけがジョジョに奇妙に出てきます。これがオレンズネロのこれまでになかった画期的な芯(新)機能です。
オレンズネロの仕組み
通常のシャープペンシルは芯を後ろからノックして押し出す仕組みですが、オレンズネロは、先端のガイドパイプが芯を引っ張る構造になっています。
分解していないので詳しいことはわかりませんが、先端のパイプ部分は(おそらく)内部でバネのようなもので弾性支持されているような感じで、指で押し込むと引っ込みますが、離すと反発して出てきます。
ノーマルオレンズとは違い、常にガイドパイプを押し出すようなテンション(力)がかけられているため、ガイドパイプが引っ込んで短くなることがありません。
文字を書いているときには、先端のガイドパイプが紙面にあたり、押されることでわずかに引っ込みます。紙面からペン先が離れるとガイドパイプが内部から押し出されて出てくるので、その時に一緒に芯を引っ張り出す、といった構造です、たぶん。これ考えた人天才。
更に、このガイドパイプが常時、芯の先端までをカバーしてくれているので芯が折れません。
- ポキっと折れた芯がどっかに飛んでいく
- 折れた芯が擦れて机上に線が入る
といった0.3mm以下のシャープペンシルでありがちな「シャーペンあるある」は、オレンズシステムではほぼ皆無といっても良いくらいにありません。こんな画期的なシャープペンシルみたことない。
オレンズネロの欠点
オレンズネロにも欠点があります。ただこれは、個人的に感じるものなので、人によっては欠点にならないかもしれません。
重い
オレンズネロを知ってしまった僕が未だにノーマルオレンズも手放せないのは、ノーマルオレンズのとてつもない軽さにあります。
ノーマルオレンズは軽量です。使っていただくとわかるかもしませんが、とても軽くて使いやすい。
対して、オレンズネロはその画期的なシステムのために必要とするパーツが極端に多いためなのか、かなりの重量感があります。まあこれは高級なシャープペンシルなので、この重量感がたまらない、という方にはむしろメリットになるかももしれません。
重さに関しては個人的な好みがあるためなんともいえないところです。
気軽に持ち出せない
現場など外で使用する場合、主に以下のような感情が渦を巻き、持ち出しできません。
- 落としてなくしそう
- 汚したくない
- 傷つけたくない
- 雑に扱って先端を曲げでもしたらショック半端ない
- いろいろ気を使ってしまう
この高級感が逆にアダとなり、室内で、しかも自分のデスク上で使用するとき以外、オレンズネロを使用できません。高級であるがゆえに、気軽に持ち出せないのです。
シャープペンシルなんて本来、身近でもっと雑に扱うツールのはずなのにそれができない。
シャープペンシルが人間に寄り添うのが通常のシャーペンのあるべき姿であり、人間がシャープペンシルに気を使うのがオレンズネロのあり方となっている。
あくまで個人的な感覚ですが。
オレンズ まとめ、雑談
芯を入れてからなくなるまで延々と書き続けられる、という仕様が、使ったことがない人が想像しているよりも、確実に素晴らしいです。
このあたりの快適さは、実際に使ってみないとわからない感覚だと思いますが、お値段以上、それ以上。書店などで在庫を見かけたら、余裕のある方はオレンズネロをぜひ購入して使ってみてください。
幸せになれます、ぜったいに。
オレンズ病
ノーマルオレンズやオレンズネロが手元になくて、普通のシャーペンを使ってしまった時にやらかしてしまいがちなことを上げてみます。
僕はこれを「オレンズ病」と呼んでいます。
カチカチがイライラ
一度でもオレンズネロを経験してしまうと、昔は当たり前だったはずのあの「カチカチと芯を出す行為」が、もうあり得ないくらい面倒になります。
ウォシュレットを知ってしまった人が、ウォシュレットなしのトイレに入れないように、オレンズネロを知ってしまうと、二度と元(の感覚)には戻れなくなります。
カチカチ忘れてガリガリ
芯が減ってきても、ついうっかりカチカチするのを忘れていて、先端のガイドパイプで紙をガリッと傷つけてしまう、なんてこともあります。これも立派なオレンズ病です。
芯が見えるほど出すのが怖い
オレンズシリーズはガイドパイプが自由に引っ込む構造のため、基本的に芯を出しません。これに慣れてしまうと普通のシャーペンを使った時に芯を出すのが怖くなります。
普通のシャーペンは芯を出さないと書けませんが、芯を出すと不思議と筆圧でポキっと折ってしまいそうな感覚に陥るのです。