19年くらい使用した僕の家のキッチン水栓から水漏れがしてきました。
今回は実際に水栓を交換したので、交換時の注意点やはじめて交換するときに知っておきたいポイント、注意したいことについて、記事にしていきます。
目次
実際の水栓交換を動画で見たい方はコチラ
今回購入したキッチン水栓
購入したのは、リクシル(LIXIL)のキッチン用 混合水栓 RSF-831Yというものです。
ちなみに、この同タイプで以下のようなタッチレスセンサー付きのものもあります。正直こっちが欲しいのですが、電源配線と予算の関係で断念しまして、今回は手動タイプを購入しました。
次壊れたらタッチレス水栓を検討したいです。センサーは乾電池仕様のものもあるので、電気工事士の資格がなくてもつけられます。
リクシル RSF-831Y セット内容
購入したリクシルのキッチン水栓 RSF-831Yの内容物は以下の通りでした。
水栓本体
水栓本体にははじめから吐出管、水とお湯のホース配管、シャワーホースノズルが接続された状態になっています。あとは取り付けるだけ、といった感じです。
取り付け金具に接続するためのネジと、ネジを隠すためのゴムキャップも付属します。
取り付け金具(上面施工)
水栓を取り付けるための専用金具です。取り付け方法は【上面施工】と呼ばれるもので、キッチンの下に潜らなくても、上から固定具を取り付けられるというスグレモノです。
取付ソケット
水とお湯の配管に取り付けするためのパーツです。水栓本体から出てくるホースと接続できるようになっています。
抜け止め金具と、金具を保護するためのプラスチックパーツが付属します。
ホースガイド付きソケット
伸びるホースノズルと吐出管をつなぐためのものです。取付時は向きがあるので注意。
ホースノズルを伸ばしたときにガイド代わりにもなります。抜け止め専用パーツも付属します。
ホースノズル ストッパー
ホースノズルの引っ張りすぎを防止するためのパーツです。
ノズルホースにあらかじめ黄色の帯がついている部分があるので、そこに被せるように取り付けします。
交換に必要な工具類
交換に必要となる工具類は、メーカーや施工方法によって微妙に違ってきますが、絶対にあったほうが良いと思えるものを紹介しておきます。
小型のモンキーレンチ
水道周りの配管をいじる際にほぼ確定で必要になります。
色々なサイズはありますが、個人的オススメは、狭いシンク下でも作業できるハンドサイズの小型のモンキーレンチです。
プラスドライバー
上部施工時のネジ止めに使用しました。
個人的なオススメとしては、電動ドライバーです。充電して使えるので1本持っておくと様々な用途で使えます。
ある程度のトルクまでは手締めもできるので、回転部分は電動に任せて、仕上げの部分は手締めするのが良いと思います。
最近では、高速回転モデルも出てます。
KURE 556 DX
水置換性の防錆、潤滑剤です。
既存の水栓が長年の使用で固着している場合もあるので用意しました。
水栓交換前日くらいから、水栓上部筐体とキッチンとの接触部分にシュッシュッと吹きかけておきます。水置換性なので、水分があっても浸透して金属部分の腐食を溶かしてくれます。
ショックレスハンマー
こちらは必要に応じて使います。
水栓上部が固着して何をどうしても外れない場合は、こちらでコンコンと上部を叩いて衝撃を与えます。KURE 556とセットで使用すると効果大。
ウォーターポンプレンチ
こちらも必要に応じて使用します。
ちょっとしたラジオペンチ代わり、ナット回し、太いものを掴んで力をかける、などなど、構造上、開口部のサイズを変えられるので比較的用途が広いです。
1本持っておくと助けられるシーンが確実あります。
明るいライト
シンクの下は明かりがなくて暗いのでライトは必須アイテムです。
スマホのライトでもやってできなくはないですが、角度調整機能のある明るいライトがあれば、自分が確認したい部分を細部までくっきり照らしてくれるので作業が確実に捗ります。
キッチン水栓交換 初めて交換する際に知っておきたいポイント
ここからは、キッチン水栓を初めて交換する方のために、事前に知っておいたほうがよいポイントをまとめます。
キッチン水栓は他メーカーのものでも合います
キッチン水栓の交換を考えたときに、
「今ついているものとメーカーが同じじゃないと付けられないのでは?」
と思いがちですが、大丈夫です。大抵のものはそのまま付けられます。
キッチン水栓なら、水とお湯の混合水栓なので、ワンホール型、シングルレバーの混合水栓であれば、怪しい外国製品じゃなければ何でも付けられます。
壊れたのを機に、別なメーカーのおしゃれな水栓に交換しちゃうのもアリですね。
取り付け穴のサイズも同じ
キッチン水栓の取り付け穴のサイズは多くの場合37mm前後のようです。
現状で売られているキッチン水栓も実に色々な種類がありますが、ほとんどの主要メーカーの取り付け穴サイズは、33~39mm くらいに設定されています。
ごく稀に古い家の水栓などでは、穴経が40mm以上と大きな場合もあるみたいですが、安心してください。穴を小さく変換するための水栓穴変換アダプターなるものがあります。
ホース配管のネジ山も同じ
水とお湯のホース取付部のネジサイズも規格が同じになっています。
なので、どのメーカーのものを買ってきても、取り付け専用のソケットが付属しているので、ソケットを交換することでホースをワンタッチで取り付けることができます。
ホースが微妙に短い場合は延長も可
購入した水栓のホースが微妙に短い場合もあるかもしれません。
そんな場合は、少しだけ延長できるアダプターもあります。こちらで5cmほど配管を延長できるので、微妙にホースが短くて突っ張る、などの際には検討してみてください。
既存水栓の固定方法は必ず確認しておく
こちらは、水栓交換を自分でやってみようと決意したときにすぐに確認したほうが良いです。
キッチン水栓交換において、多くの場合、既存水栓の説明書はないと思います。今、家についている水栓がどのようにキッチンに固定されているのか必ず目視で確認しましょう。
このあたりをよく確認しないで作業に入ってしまうと、水栓が取り外せなくて詰んでしまう場合がありそうです。
水栓の固定方法については、僕が調べただけでも細かく分けるといくつか種類があります。
上面施工
今回取り付けしたリクシルはこの方式でした。
上の穴から座金付きの固定具を入れて、ネジを締めていくことで上下でキッチンをサンドして固定させる方法です。
下の狭い空間でナットを締める、という作業がないので取り付けがとても楽です。ただし、長年使用していると上面金具の内部に水が侵入して固着するケースなどが散見されます。
ナット固定式
水栓下部にネジがあり、下からナットで締め付けているタイプです。基本的にシンク下に潜って作業します。
ナット固定式の中にもいくつか種類がありまして、
- 長いナットで座金を固定しているもの
- 吐出管にネジがきってあってナットで締め付けてあるタイプ
- 水栓本体に大きなネジがきってあって大型のナットで固定するタイプ
などなど、メーカーや年代によって種類があるようです。
上記1、2に関しては、小型のモンキーレンチやウォーターポンプレンチ、相応サイズのロングソケットなどを駆使すればいけるのではないかと思われます。問題は3です。
こちらはスペースがなく、工具も満足に入らない奥地での作業になるため、取り外しには専用工具が必要になるケースがあります。
固定ナットのサイズも統一されていません。このあたりの事前確認が超絶重要になります。
YouTube動画から先人達の知識をいただく
YouTubeで【キッチン水栓 交換】などで検索すると、関連する動画がたくさん出てきます。
まずはこれらの動画を片っ端から見ましょう。自分の家の水栓形状と違っていても良いので、様々なタイプの水栓固定の方法を学びます。
新規取り付けは簡単なので、そのあたりはサラッと確認だけして、既存水栓の取り外しシーンを重点的に見ます。
中には、取り外せなくて工具を自作しちゃう猛者や、取れない部分を無理やり切断して取り外したりと、様々な創意工夫事例が垣間見れます。
交換時に困りはて、色々と悩み対処してきた先人達の知恵を借りましょう。
必要な工具を揃える
ある程度知識がついたところで、自分の家のキッチン水栓の取り付け形状をもう一度確認します。
その頃になると下回りを見ただけで「ああ、この手のタイプね」とわかると思います。必要な工具を用意しましょう。
必要な工具が揃って、取り外しのイメージがおおよそ湧くところまでいけば、水栓交換は確定で終わったようなものです。
キッチン水栓交換は、知識と工具の仕入れに関わる準備が8割、作業が2割です。
実際のキッチン水栓交換
ここからは僕が実際に行った水栓交換の行程について書いていきます。
元栓を止める
まずは水を止めます。
ほとんどの家庭は、キッチン下を覗くと、【止水栓】と呼ばれる蛇口のハンドルのようなものがついているので、そこで水を止めます。
僕の家の場合は、キッチン付近に止水栓が見当たらなかったので、トイレに設置されている家の全ての水を止める元栓を締めました。
水道ホースの取り外し
キッチンの下にあるお湯と水の水道ホースを取り外します。
構造的には、抜け止め金具を外せばホース単体で抜けるのですが、なにぶん狭い空間でうまく力が入らないため取り外しができませんでした。ここは無理せずにソケット部ごと外します。
モンキーレンチでソケットを反時計回りに回します。
ホースノズルの取り外し
吐出管からホースノズルを取り外します。
指さしている青いストッパーを下にさげると、ホースノズルがスポッと簡単に外れました。
固定ナットの取り外し
吐出管にナットの六角部分がついているので、ここにモンキーレンチをはめてナットを緩めます。緩めるには反時計回りに回します。
ここのネジ山がとにかく長くて、途中で挫けそうになりましたが、何度も休みながら回し続けて、最後は指で回して取り外しました。
下から、固定ナット → スプリングワッシャー → 金属の筒 → 固定するための座金 の順番で入っています。
固定ナットを取り外していくと、上の水栓がグラグラ揺れているのがわかったので、この時点で取り外しは成功したと確信しました。
既存水栓の引き抜き
下から座金を外して、既存水栓を上から引き抜きます。
引き抜くときは、無理やり引き抜こうとはせず、無理をかけずにゆっくりと引き抜きます。なにか引っかかりがある場合は、少し筐体を斜めにしたりしながら少しずつ抜いていきます。
水栓穴付近の清掃
穴周りをクレンザーで磨きました。
19年も経過しているとは思えないほどに腐食はなく、思っていたよりもかなりキレイな状態でした。
上面施工金具を取り付ける
新しいリクシル水栓に付属する上面施工用の取付金具を付けていきます。
金具の取り付け向きは、黒い印のある方が手前(キッチン)側になります。
取付金具は片方を接続したまま上から差し込み入れて、片方のネジを回すことで、もう一方のネジにカチッと接続されるような仕組みになっています。
この構造のおかげで、狭いキッチン下に潜ることなく、上から楽に作業ができます。この構造考えた人天才って思いました。
ネジはプラスドライバーで締め付けてから、さらに8mmのスパナ(モンキーレンチでも可)で半周ほど増し締めします。
あまり締め付け過ぎるのも良くないみたいなので、適度なところでやめておきます。金具を手で揺すってみてガッチリと動かなければOKだと思います。
水栓本体を上から取り付け
リクシル水栓を上から差し込みます。
ホースを先に差し入れて、ゆっくと下げていきます。白いプラスチックのガイドが金具の隙間に入るようになっているので、注意しながら無理のかからないように入れていきます。
下まで入ったら、ゆっくりと水栓底面がぶつかるまで下げていきます。
水栓の固定ネジを締める
水栓下の穴に付属のプラスネジを締め付けます。
穴埋めのゴムキャップを付けたら上部は完成です。
給水ホースの取り付け
下に潜り、お湯と水の給水部に付属のソケットを取り付けます。
ソケット取り付けの際には、ソケット内に青いパッキンが入っているので、落とさないように確実に目視しながら取り付けます。
モンキーレンチで時計回りに締め付けます。
水栓本体から落ちてくるホースを、お湯、水のソケットへそれぞれ差し込みます。ホースが余る場合は、少し横にクイッと逃がしても大丈夫です。
抜け止めの金具を横から差し込み、プラスチックのキャップを取り付けます。
ホースノズルをガイド付きソケットに差し込む
水栓本体から落ちてくるホースノズルをガイド左側の穴に上から差し込み、Uターンさせるように右下の穴に差し込みます。
ホースノズルは先端の白い保護キャップを外して、「カチッ」と音がするところまでしっかり差し込みます。
ガイド付きソケットの上の部分は上から生えている銅の吐出管と接続されます。こちらも白い保護キャップを外して「カチッ」と音がするまでしっかりと差し込みます。
オレンジのロックパーツがあるので、ソケットの横に差し込みます。こちらもカチッと気持ちよく入ります。
ホースノズルストッパーを取り付ける
白いホースノズルストッパーを黄色いテープが巻いてある部分に挟み込むように取り付けます。
蛇口側からホースノズルを伸ばしてみて、きちんと止まるか確認します。
元栓を戻して動作確認
全ての接続を確認し、元栓を戻します。
ゆっくりと水栓レバーから水を出してみて、無事に水とお湯が出れば完了です。
元栓から水を落とした場合は、エアかみしていたのかしばらくゴボコボとお湯が出ませんでしたが、1~2分くらいで水流が落ち着きました。
配管の水漏れを目視で確認して問題なければ完了です。