satoの雑技術ノート

キーボードの入力スピードを飛躍的に向上させる入力テクニック

会社用HHKBと家用HHKB

今のキーボードの配列に満足していますか。

よく見てみるとキーボードには多くの無駄があります。例えばカーソル(矢印)キーはどうしてあんなに遠くにあるのか、BSキーやDELキーなんかも微妙な位置に配置されています。

たくさん使うキーはもっと近くにあるべき

人や環境によってたくさん使うキーの定義は様々ですが、日常的にたくさん使用するにも関わらず、デザイン上の理由などで、あたかも左遷レベルで不遇の扱いを受けているキーが必ず存在します。

例えばアルファベットの「Q」とか実際には大して仕事をしないくせに良い位置に鎮座してたりします。これはアレだ、まるで営業部に突然配属された社長の息子みたいなものです。

反対に、「HOME」キーや「END」キーのように、実際に有能であるはずなのに上層部から認めてもらえず、地方の営業所の管理職に留まっているようなキーも存在します。

実は、こうした不遇の扱いを受けているキー達に光を当て、効率よく仕事をさせてあげるだけで、キーボードの入力スピードは飛躍的に上がります。これが「最適化」という考えです。

今回は僕が会社のパソコンで実践している最適化について記事にしてみたいと思います。

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キーボードの入力スピードを飛躍的に向上させる入力テクニック

Caps LockキーをCTRLキーにする

「Caps Lock」キーはほとんど使用頻度がないにも関わらず、左手の小指で即アクセス可能な良い位置に配置されています。これはWindowsマシンの欠点だと思われます。

まずは、この「おいしい位置」をCTRLキーにしたほうが確実に生産性があがります。

キーリマップソフトなどを使って「Caps Lock」を「CTRL」に割り当ててしまいます。個人的にはKeySwapというソフトがとてもわかりやすく、簡単にキーのリマップができてお勧めです。対応OSはWindows7までとなっていますが、うちのWindows8でも普通に動作しています。

KeySwap for XP(愛とゆりの部屋)

KeySwapは旧ブログでも過去に紹介しています。もしよろしければ参考にしてみてください。
キーボードのプチ最適化(旧satoの雑技術ノート)

CTRLキーは積極的に使っていく

CTRL(元のCapsLock)キーのリマップが終わったらもはや鬼のように使い狂います。

「CTRL + ○」という組み合わせは、Windowsの基本的な操作なので、どのアプリケーション上でもほぼ同様の動作をします。どれだけ自然にCTRLキーを使えるか、覚えられるか、が入力スピードだけではなく、全般的な作業スピードにも直結してきます。

最低限これだけは使っておきたいCTRLキーの動作

Windowsを扱う上で、少なくともくらいの組み合わせは使っていきたい、といった動作です。

入力キー内容
CTRL+Aすべて選択
CTRL+Cコピー
CTRL+X切り取り
CTRL+Vペースト(貼り付け)
CTRL+Z一つ前に戻る
CTRL+Y一つ先に進む
CTRL+F検索ウィンドウの表示

文字入力中に効果絶大なCTRLキーの操作

こちらは文章入力中によく使用します。まったく同じことが上部のファンクションキー(F7~F10)でもできますが、基本的にF(ファンクションキー)は遠いので使わない方向に最適化します。

入力キー内容
CTRL+I入力文字を全角カタカナに変える(F7キー同様)
CTRL+O入力文字を半角カタカナに変える(F8キー同様)
CTRL+P入力文字を全角英数に変える(F9キー同様)
(もう一度押すことで小文字・大文字変換)
CTRL+T入力文字を半角英数に変える(F10キー同様)
(もう一度押すことで小文字・大文字変換)

僕は数年前にキー打鍵数の少なさに目をつけて「ローマ字入力」から「カナ入力」にスイッチしたので、上記「CTRL+T」は日常的に多用します。基本的に半角の英数入力も文章入力中ならほとんどカナ入力の状態で行います。例えば以下のような感じです。

・入力「ぬふあ」 → CTRL+T変換後「123」
・入力「てにみしらてと」 → CTRL+T変換後「Windows」
(※CTRL+Tの「T」を3回押しすると先頭だけ大文字になる)

Enter(エンター)キーは使わない

エンターキーは決定や改行などの時に使用し、作業の中ではかなり使用頻度の高いキーのひとつですが、一般的なJIS配列のキーボードを使っている場合、ホームポジションの右小指からキー3つも右側の先にあり、右手の小指を少し開いて伸ばさないと届きません。

これは指の動線を考えた時にとても効率が悪く、さらには長時間作業を考えると右の小指付近に負担がかかるのは明白です。ここは AutoHotKey を導入してエンターキーは親指や人指し指あたりで押せるように設定してあげると良いです。

AutoHotKeyってなに?

キーの動作、ショートカットキーやアプリ起動など、スクリプトで自由にキーの割り当てを変更できるソフトです。スクリプトの書き方によっては相当マニアックなこともできてしまいます。

設定には多少の慣れが必要ですが、使い方をわかりやすく紹介してくれているページも多数あり、サンプルスクリプトなどもネット上にたくさん転がっているので、コピーすればそれなりには設定可能です。慣れるとこれが100%手放せなくなります。

AutoHotKey ダウンロード

※AutoHotKeyの設定方法、使い方についてはここでは触れません。「AutoHotKey 使い方」などで検索してみてください。丁寧に解説しているサイトがたくさんあります。

ちなみに僕の会社のパソコンはAutoHotKeyで「無変換 + スペース」でエンターキーになるように以下のスクリプトにより最適化してあります。

無変換キーを全く使わないのであれば、無変換キーをそのままEnterキーに割り当てしてしまっても良いかもしれません。慣れが必要ですが、一度慣れてしまうと普通のエンターキーはとても遠くて押す気になれません。

;「無変換+スペース」でエンターキーの動作をさせる
vk1D & Space::Send,{Blind}{Enter}

※「vk1D」は無変換キーを表すコードです。

BSキーとDELキーは使わない

エンターキー同様に使用頻度の高いキーであるBS(BackSpace)キーとDEL(Delete)キーも使用頻度の割には少し端に押しやられている感があります。

これらのキーも指を伸ばせば届かないわけではありませんが、一日に何度も何度も押すので、ホームポジション周辺に置くことで作業効率が激変します。

僕はAutoHotKeyで「無変換+;」でDELキー、「無変換+:」でBSキーに設定しています。ホームポジションの右手の小指に当たる位置がDelete、そのひとつ右がBackSpace、といった具合で、個人的にはとても使い勝手が良いです。

AutoHotKeyのスクリプトは以下の通りです。

;無変換+;でDEL、無変換+:でBSの動作
vk1D & vkBAsc028::Send,{BS}
vk1D & vkBBsc027::Send,{Delete}

テンキーは使わない

数字入力するのにわざわざテンキーまで腕を移動させるのはとても非効率です。

数字入力はキーボードの上段列の数字キーのみでじゅうぶん対応可能です。慣れると右手で打つテンキーよりも、両手で打つ上段キーの方が速くなります。

さらに上段キーだけで数字入力することに慣れておくと、ノートパソコンを使った時にも違和感なく数値入力が可能になります。テンキーレスのキーボードに変えることで机が想像以上に広くなるという物理的メリットもあります。

カーソル(矢印)キーは使わない

カーソルキーもテンキー同様に右腕を少し動かさないと押せない離れた島にあります。

文字の入力中に、ちょっと入力カーソルを前後や次の行に移動させたいとき、離れ小島にあるカーソルキーを使用するのはとても非効率です。ちょっとした移動くらいならホームポジションから手を動かさずに済ませられたら作業効率は劇的に上がります。

僕はAutoHotKeyで「無変換」+「J」、「I」、「K」、「L」、にそれぞれ左、上、下、右を割り振っています。スクリプトは以下の通りです。

;無変換+JIKLで矢印キーの動作
vk1D & I::Send,{Blind}{Up}
vk1D & J::Send,{Blind}{Left}
vk1D & K::Send,{Blind}{Down}
vk1D & L::Send,{Blind}{Right}

SHIFTキーとカーソルキーを組み合わせることで、いちいちマウスで選択しなくても文章中の任意の場所を選択状態にしたり、フォルダ上のファイルを自由に選択したりできます。

HOMEキーとENDキーは使わない

冒頭でも少し触れましたが、使用頻度の割に離れた島にあるのが「HOME」キーと「END」キーです。

HOMEキーやENDキーは、カーソルキーの上の方の小島の真ん中に配置されていて、周りのキーも文字が刻印されているためか非常に目立ちにくいです。このため、ほとんど使用したことがない方もいるかもしれませんが、実はこれらのキーは文章入力、プログラミングなどではかなり使用頻度の高いキーになります。

文章入力中には、主に以下の用途で使用します。Shiftキーとの組み合わせにより、1行選択、途中から行末まで選択、といった柔軟な使い方が可能になります。

入力キー内容
HOME入力カーソル(キャレット)を行頭に移動
END入力カーソル(キャレット)を行末に移動
SHIFT+HOME現在カーソルのある位置から行頭まで選択
SHIFT+END現在カーソルのある位置から行末まで選択

※キャレット・・・文字入力の時に点滅してる入力位置を表す「|」のこと。

これらのキーもAutoHotKeyを使用してホームポジションに近いキーに割り当ててしまいます。ちなみに、僕は「無変換 + A」でHOMEキー、「無変換 + E」でENDキーにそれぞれ割り当てています。これはMacのショートカットキーと混乱しないようにあえてこうしています。

ブログ入力を劇的に効率よくするMacのショートカットキー

AutoHotKeyのスクリプトは以下の通りです。

;無変換+AでHOME、無変換+EでENDの動作
vk1D & A::Send,{Blind}{Home}
vk1D & E::Send,{Blind}{End}

ちなみに、このページのように縦に長いWEBページを見ている時などは、HOMEキーでページ上まで一気に戻る、ENDキーでページの一番下までジャンプするといった使い方もできます。

ファンクションキーは使わない

すでに軽く触れていますが、キーボードの一番上にあるF1~F12までのファンクションキーは遠いので使いません。ファンクションキーはそのまま「無変換」と上段の数字キーの組み合わせにより対応させます。

AutoHotKeyのスクリプトは以下の通りです。

;「無変換+上段キー」でファンクションキーの動作をさせる
vk1D & 1::Send,{Blind}{F1}
vk1D & 2::Send,{Blind}{F2}
vk1D & 3::Send,{Blind}{F3}
vk1D & 4::Send,{Blind}{F4}
vk1D & 5::Send,{Blind}{F5}
vk1D & 6::Send,{Blind}{F6}
vk1D & 7::Send,{Blind}{F7}
vk1D & 8::Send,{Blind}{F8}
vk1D & 9::Send,{Blind}{F9}
vk1D & 0::Send,{Blind}{F10}
vk1D & -::Send,{Blind}{F11}
vk1D & ^::Send,{Blind}{F12}

入力スピードを飛躍的に向上させる まとめ

個人的な意見ですが、「入力の速さ = タッチタイピングの速さ」は必ずしも成立しないと思っています。

どんなに軽快でキーを打鍵するスピードが速くても、カーソルキーを連打して行末までカーソルを移動させていたり、マウスで右クリックしてからコピーをしていたり、なんてことをしていたら、それは非効率なんです。

入力スピード = タッチタイピング + 最適化

単純なタッチタイピングのスピードも重要かもしれませんが、それよりも点在する細かな入力の無駄を省き、効率化することでトータル的にキーボードの入力スピードが向上します。

自分がたくさん使用するキーは、自分の指の届く範囲に持ってきます。これが基本です。

指の届く範囲とは、腕を極力動かさないで無理なく入力できる範囲のことです。具体的にはホームポジション周辺、という認識です。

今回は僕が実際に会社で使用しているAutoHotKeyの設定も載せましたので、AutoHotKeyを使用したことがない方はコピーして使ってみてください。スクリプトの部分を自分で変えることで別のキーに割り当てることも可能です。自分にとっての最適な位置に配置してみてください。

■キー配置を簡単に変換してくれるソフト
KeySwap for XP(愛とゆりの部屋)

■キーの機能を自由にカスタマイズできるソフト
AutoHotKey ダウンロード

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