携帯番号を変えずに格安SIMフリーへ移行する方法

携帯番号を変えずに格安SIMフリーへ移行する方法

docomoやau、SoftBankなどのキャリアでスマートフォン端末の契約をしている方は、月額でかなり高額な料金を払っていると思います。

これをSIMフリーにするだけで、月額の料金はぐっとお安くなります。MNP転出を選択すれば、現在の番号は変更しないで契約をSIMフリーへと移行できます。

今回は家のスマートフォンを全てSIMフリー化したので、簡単に手続きや流れなどをメモしておきます。興味のある方は参考にしていただけると幸いです。

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SIMフリーについて概要など

SIMフリーとは「ロックされていないスマートフォンの状態」をいいます。端末がロックされていないので、どの通信業者のSIMカードでも通信できる状態、というわけです。

SIMカードって?

simカード

スマートフォンには「SIMカード」と呼ばれるものが入っています。これがないと通信はできません。

SIMカードには、それぞれ固有のID番号が記録されており、各通信会社によってそれぞれ契約に紐づけて管理されています。

ユーザーは、SIMガードにより固有のIDで識別されて、電話やインターネットを利用できる仕組みです。SIMカードのID識別情報がないと、誰がどれだけ通信を利用したのかわからなくなります。

SIMロック状態とは

docomoやau、SoftBankなど国内の携帯電話会社(キャリア)は、それぞれのキャリアの通信帯域でしかスマートフォンを利用できないように、スマートフォンに制限をかけています。

これが一般的にSIMロックと呼ばれる状態です。

SIMロックという制約があるために、docomoで販売するスマートフォンはdocomoの帯域、auで販売するスマートフォンはauの帯域、SoftBankはSoftBankの帯域でしか利用できないようになっています。

総務省がSIMロック解除原則義務化

2015年5月1日に、SIMロック解除義務化が実施されました。

これによって、SIMロックがかかっている端末でも、ロック解除ができるようになり、通信業者をユーザーの都合で自由に選択できるようになりました。

ユーザーにとっては、主に以下のようなメリットがあります。

  • いつでも自由に通信業者を変えられる
  • 自分の通信利用量に応じた安い料金の通信業者と契約できる
  • 海外で現地のSIMカードに差し替えて自分のスマートフォンを利用できる

これに関しては個人的にはメリットしかないと思います。SIMロック解除義務化、すばらしいです。時代は急速にMNP転出、SIMフリーという流れになっていきます。

MNPとは

携帯電話番号ポータビリティ制度のことです。携帯電話番号ポータビリティとは、携帯電話会社を変更した場合に、電話番号はそのままで、変更後の携帯電話会社のサービスをご利用できる制度のことをいいます。

携帯番号を変更しないで、現在の通信事業者との契約から外れることを「MNP転出」といいます。そのままの別の通信事業者と契約することを「MNP転入」といいます。

携帯番号を変更しないでSIMフリーへ移行する場合、MNP転出とMNP転入を同時に行います。これについては次項より説明します。

SIMフリーへの移行について

SIMフリーへの移行

ちょっと前置きが長くなりましたが、ここからは「MNP転出」してSIMフリーへと移行するために必要な手順を説明します。

ここでは、実際に僕が行った「docomo」から「IIJmio」への変更を例に説明します。難しそうに思われがちですが、いざやってみるとぜんぜん難しくないです。気楽にやってみてください。大まかな手順は以下の通り。

  1. MNP予約番号の発行
  2. IIJmioへMNPでの契約申し込み
  3. 開通手続き
  4. SIMカード差し替えとAPN設定

1、MNP予約番号の発行

MNP予約番号の発行は、インターネット上からでも可能ですが、わからない方はショップでやってもらう方が間違いないと思います。

お近くのdocomoショップに行き、店員に「MNP(携帯番号を変えずに)転出したい」と告げます。

「お客様…。MNP転出なんて気は確かですか。とても正気の沙汰とは思えません。」

こんな感じのことを言われるかと思っていたんですけど、実際にはそんなことはありませんでした。docomoショップでは極めて事務的に「MNP予約番号」を発行してくれます。涙ながらに必死の引き止めもありませんし、「転出するならアタシを倒してから…」とかも言いません。

以下の画像は実際にdocomoで発行されたMNP予約番号です。

MNP予約番号

MNP予約番号は「発行より2週間」という有効期限があります。MNP転出の宣言をしてから予約番号を受け取り、その予約番号で2週間以内に他の通信業者に変更手続きをしなくてはなりません。

2、IIJmioへMNPでの契約申し込み

docomoでMNP予約番号を受け取ったら、すぐにIIJmioへ通信の契約申し込みをします。

契約の申込みは基本的にIIJmioのサイト上で行います。トップページ右上にある「ご購入、お申込み」という所から入れます。

IIJmioトップページ

IIJmio トップページ

IIJmioの申込みの際には、SIMカードだけの申し込み(現在の端末をそのまま利用する場合)や、SIMカードとセットで新規端末を購入することもできます。ご自分の利用状況に応じて申し込みをしてください。

ちなみに、MNP転入をする方は音声付きSIMカードで「MNP転入」を選ぶことを忘れずに。

IIJmio MNP転入を選ぶ

僕は、Amazonで事前に端末だけを購入しておいたので、SIMカードだけ申し込みしました。IIJmioの申込みには以下のものが必要になるので、あらかじめ用意しておくと幸せになれるかもしれません。

1、本人名義のクレジットカード

IIJmioに申し込みを行う本人の名義のクレジットカードが必要になります。このクレジットカードは支払いに利用します。

2、本人確認書類

運転免許証や個人番号カード、パスポート、被保険者証(国民健康保険/健康保険)などが利用できます。いずれも有効期限内のものが対象です。

3、メールアドレス

確実に連絡可能なEメールアドレスが必要になります。GmailやYahoo!メールでも可能です。

4、MNP予約番号

docomoで発行してもらった予約番号です。

3、開通手続き

IIJmioの申し込みが完了すると、3~4日くらいで、SIMカードが自宅に届けられます。

iijmio_simカード郵送

中に記入されているIIJmioのオンデマンド開通センター(通話料無料、年中無休9:00~19:00)へ電話をかけます。

自動音声ガイダンスに従い、乗り換え対象の端末の電話番号、届けられたSIMカードの識別番号の下4桁を入力します。これで開通手続きは完了です。

開通手続きが完了すると、その後10分程度で以前の利用回線(ここではdocomoのSIMカード)が使用できなくなり、新しいSIMカード(IIJmioから届いたSIMカード)が利用できるようになります。

4、SIMカード差し替え

端末にSIMカードをセットします。SIMカードのセット方法については各端末のクイックスタートガイドなどを参照してください。

SIMカードを指してスマートフォンの再起動をした時点で、これまでの番号のまま、スマートフォンでの通話ができるようになっています。

ただし、そのままではデータ通信(インターネット通信)はできないので、自分で端末のAPN設定をする必要があります。

APN設定ってなんだか難しそうに感じますが、安心してください、とても簡単ですよ。

端末のAPN設定

以下は僕のNuAnsNEO[R]での設定画面です。端末やAndroidのバージョンによって微妙に画面が違うかもしれませんが、どの端末でもやることは同じです。

端末の設定(歯車マーク)より「・・・もっと見る」を選択。

APN設定、その他の設定

モバイルネットワークを選択。

APN設定、モバイルネットワーク

アクセスポイント名を選択。

APN設定、アクセスポイント名

APN一覧よりIIJmioを選択します。

APN設定、アクセスポイント名2

IIJmioは元から入っていると思いますが、なければ新規作成で作ればOKです。新規作成する場合は、SIMカードに付属してくるAPN設定方法を参照してください。

SIMフリーへの疑問点

SIMフリーへの疑問点

SIMフリーというものをよく知らない方が思いがちな疑問点について、個人的に思ったものをあげておきます。この他に何か疑問点などありましたらコメント欄にでも書いていただければ僕の知る限りでお答えします。

安いけどちゃんと通信できるの?

値段が破格的に安いので、今まで通りきちんと通信できるのか心配になりますよね。これに関しては全然大丈夫です。そもそも大手キャリアの通信料が高すぎなんです。

僕のメイン端末は「SIMフリー」という言葉が世に出始めるかなり前からSIMフリーにしていますが、これまで何も不具合は感じていないです。

通信については、端末の対応バンドによる部分が大きいので、端末購入の際には対応バンドについて調べてから購入すると良いです。

バンドについて調べるのが面倒な方は、信頼のおけるショップなどできちんとした国内正規品を購入すれば問題ないかと思われます。

SIMフリーにして困ること

キャリアなどの契約からSIMフリーにして困ることは個人的にはほとんどないと思いますが、思いつく限りであげるとすれば、以下のようなことでしょうか。

メールアドレスが使えなくなる

キャリアから離れるので、「****@docomo.ne.jp」みたいなキャリアで付与されていたメールアドレスは使えなくなります。SIMフリーに移行する前に、GmailやYahooメールなどのフリーメールの扱いに慣れておくと良いです。

サイトの登録関係などでキャリアのメールを登録している方は、事前に別のアドレスに変更しておきましょう。

設定関係は自分で

SIMフリーに移行する際に一番大変なのは設定関係でしょうか。これだけは自分でやらなければなりません。連絡先、アプリ関係、特にLINEのアカウント移行方法は事前に調べておくと良いです。

Wi-Fi環境がある方なら、SIMフリーに移行しても旧端末そのまま動くので、それほど焦らなくても良いかもしれません。じっくりひとつずつ確実に調べながら移行しましょう。

LINEの移行はメアドとパスワード

余談ですけど、LINEのアカウントはメールアドレスパスワードだけ登録しておけばなんとかなります。メールアドレスとパスワードを移行前に必ず登録確認しておいてくださいね。大事なので2回言いました。

ちなみに、メールアドレスは確実に届くものを登録してください。

今となってはトーク履歴もGoogleドライブ経由で全トークをサクッと移行できちゃいます。慣れてくれば5~10分程度でLINEの新端末への移行は完了します。

連絡先はGoogleアカウントでの管理を

これまでの「連絡先」をGoogleアカウントに紐づけしていない方は、ここらで「すべてGoogleアカウントに紐づけ」しておいたほうが確実に幸せになれると思います。

詳しい方法はここでは割愛しますが、連絡先をMicroSDカードやGoogleドライブなどにエクスポートしておいて、後から新端末でGoogleアカウント(の連絡先)の中にインポートするだけです。

一度Googleアカウントに紐づけて管理してしまえば、今後、別のスマートフォンに変更したときも、端末でGoogleアカウントにログインするだけで自動的に連絡先が同期されるようになります。

さらに今後、スマートフォン無くしても落としても壊しても、何をしてもGoogleさんのサーバーに連絡先は保存されているので、この先、連絡先が一生涯なくなることはありません。

MNP転出に関わる料金

MNP転出に関わる料金

以下はSIMフリーに移行することで、1年間の支払いがおおよそどれくらい変わるのか、という試算をしてみました。「現在夫婦で利用している2台のスマートフォンをdocomoの契約からSIMフリーへの契約(家族プラン)へ変更した」という設定でやってみました。

ちなみに、IIJmioのファミリーシェアプランは、月12GBをシェア、SIMカード合計10枚まで利用できるのでとてもお得です。家族全員でここに入ればかなりお得だと思われます。

ちなみに7月31日までキャンペーンで初期費用が1円(通常3,000円)、月15GB(通常12GB)、月額2,950円(通常3,260円) という破格値です。

SIMフリー移行前

docomo契約 各端末 月3GBまで
1台あたり約8,500円
2台の月額 17,000円
年額 20万4千円くらい

SIMフリー移行後

IIJmio契約 2台で月12GBをシェア(ファミリーシェアプラン)
月額 3,260円
年額 4万円くらい

その他MNP転出にかかる費用

・docomoMNP予約番号発行手数料 2,100 円/台
・IIJmio パッケージ価格/初期費用 3,000円(1台目のみ)
・IIJmio SIMカード追加手数料 2,160 円(2台目から)
・IIJmio SIMカード発行手数料 394 円(タイプD)/台
・スマートフォン端末代(別購入する場合)

※スマートフォン端末代はIIJmioのサイトからSIMカードと同時購入すれば、月額プランに含めて分割払いもできます。

スマートフォンの2台契約で考えた場合、docomo契約で年間20万円以上を通信料として支払うことになります。これをSIMフリーにしてIIJmioに移行するだけで、支払いは年間4万円程度で済むようになります。

ほんの少しの行動力で 1年間で16万円もお得

SIMフリーに移行する場合には、SIMフリーに対応する端末を事前にAmazonなどで安く用意することもできます。

最近はそこそこスペックが高いわりに、値段が安い端末が多く出回ってきました。

Android端末なら3万~6万くらいでかなり良スペックのスマートフォンを購入できます。以下は2018年7月現在のコストパフォーマンスが抜群に良い機種です。

参考までに、僕が今現在使っているNuAns NEO [Reloaded]も載せておきます。SIMフリーなのでこちらも使用可能です。カバーデザインも自由に変えられるので個人的にはかなりオススメしたい機種です。

さらに、数少ないお財布ケータイに対応した端末です。端末だけで電子マネーでの買い物から地下鉄まで乗れちゃいます。

以下の記事も参照してみてください。

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