ドローンクラッシュ!やっちゃいました。

桜イメージ

ドローンやっちゃいました。桜を撮影しようとしてそのまま木の中に突っ込みました。

ほんとね、気をつけていたんです。これでもYoutubeとかでよく見かけるドローン墜落の動画とか、穴のあくほど見ました。

墜落の原因を研究して、ドローンの操作については初心者の練習用として名高いトイドローン「Hubsan X4 HD(H107C)モード2操作版」で夜な夜な練習をして技術を磨き、自分ではそこそこ操縦できる気にはなっていたんですけど、やってしまいました。

今回はドローンをやってしまった事の顛末と、その後のドローン救出作戦についての記事です。
※当ブログでは、木に登ることは推奨致しません。木に登る場合には、あくまでも自己責任でお願いします。

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ドローン クラッシュの経緯

事故後のドローンプロペラ
ドローンのプロペラ

ドローンをやってしまった経緯はこうです。

桜の撮影にでかけた

北海道もようやく桜が咲いてきたので、せっかくだからドローンで上空から撮影してみようと思ったのがきっかけです。

それで家の近所にある桜の撮影にでかけたんです。ドローンを飛ばすことに配慮して、時間帯は早朝の誰もいないときを見計らって撮影しました。

当初、順調に飛ばすも

ドローンクラッシュの経緯

現場は斜面に桜の木が植えてある所で、当然ながら上に行くほど桜が高くなります。

その辺りも配慮して、最初は桜の木の上から、上空部分に余裕幅を取って撮影していたんですけど、引きの映像ばかりだと迫力が乏しいので、少しずつ高度を下げて桜に寄っていったのです。しかしこれが失敗でした。

高度を下げると目視できなくなる

当初は高い位置でドローンを飛ばしていたため、目視飛行ができましたが、高度を下げていくと徐々に目視しきれない部分もあり、上空に目を向けたり、モニターを見たりしなが撮影していました。事故はその後、起こりました。

大丈夫かな、という油断

今回の事故について概略の絵を描くとこんな感じになります。これを見ていただくと事故の経緯がわかって頂けると思います。

ドローンクラッシュ概略図
ドローンクラッシュ 原因について

当初わかっていた現場の特殊な地形「斜面で徐々に桜の木が高くなっていること」について、そのときは撮影に夢中で忘れていました。

正確には「忘れていた」というより、「このくらいなら大丈夫だろう」という意識の方が強かったかもしれません。不思議なもので、購入してから色々なところで飛ばしてきて操作に慣れてくると、当初は慎重に操作していたものが大胆になってきます。

大丈夫だろうと思って、奥まで水平飛行させてしまいました。このとき以下の2項目を意識することで事故は防げたかもしれません。

  1. 確実に目視できる位置まで移動してから操作する
  2. ドローンの高度を上げながら直進させる

そして桜の中へ

ドローンは激しく桜の枝の中へと突っ込んでいきます。

あっという間の出来事で、上昇操作もまるで間に合いませんでした。「ガサガサガサ…!」ものすごいスピードで桜に突っ込んでいく様子が動画に残っています。

ドローン 全速力でクラッシュ(Drone crashes)

プロペラが絡まり、「ギャギャギャギャ」とまるで悲鳴を上げるような甲高い音が聞こえてきて騒然としました。これはヤバイかも、と思ったものです。

モニターを見る限り、突っ込んだ後、地面に落ちずにそのまま枝に引っかかったようです。プロペラを緊急停止させて慌てて木の下まで駆け寄りました。

終わった。相当な上の方に引っかかってる

ドローンは桜の木の、それもかなり上方の枝先に引っかかっていました。ドローン本体は、まるでそこにいることを静かに主張するかのようにLEDをチカチカと点滅させ、桜の枝の中で横になっていました。

パッと見、気軽にホイホイと取りにいけるような場所じゃないことは明白です。本気で血の気が引きました。

「終わった。」

ドローンを墜落、もしくは紛失された方ならわかるかもしれませんが、その頃になって後悔の念がドッと押し寄せてきました。なんでこんなことしたんだろ、どうしてこんな低空で飛行させたんだろ、というやつです。

しばらく下から眺めていましたが、早朝で時間もなかったので、その日は泣く泣くドローンを桜の上に放置。次来た時に見失わないように、桜の本数や位置を詳細に覚えて帰りました。

次の日の早朝、装備を揃えて救出に向かいました。その間、天気が良く雨が振らなかったのは不幸中の幸いです。

ドローン救出作戦

実際の桜の木(後日撮影)
ドローン救出作戦

赤矢印のあたりにPhantom3が引っかかりました。写真では先が細く見えますが、かなり遠くから撮影した画像なので、実際には上の方でも大人がつかまっていても全然折れないくらいの太さがあります。樹高は10mくらいはあると思われます。

「ドローン救出作戦」ちょっと大げさな名前ですけど、やったことは単に木登りしてドローンを回収しただけです。

それでも普段慣れない木登り、足が震えるくらいの高所ということで、自分の中では相当の覚悟で臨んだものです。

ドローンの救出に用意したもの

実際にドローンの救出に用意したものです。これらの装備なしには今回の救出は不可能でした。救出に必死すぎて何も画像を残していないことが悔やまれます。

5mハシゴ

桜の木は割と枝分かれするため、下からでも頑張れば登れますが、ハシゴをかけることで途中までショートカットできます。木登りしてみるとわかりますが、あれって想像以上に体力を消耗します。少し上っただけで腕や足がパンパンです。

5mも伸ばせばまあまあ良いところまで届くかな、という淡い期待もありました。まあ実際には5mではまるで届きませんでした。ドローンはまだまだその先にあります。

このハシゴ、5mという長さの割に、とてもコンパクトなので持ち運びや収納に便利です。値段も比較的安いので、一家に1つ置いておきたいハシゴNo1です。

スパイク長靴

これも仕事で使っているものです。

木登りする時に、普通のスニーカーでは滑って危険なので、山で使用する、裏に鋲がついている滑り止め長靴を用意。これがあると無いとでは大違いです。おかげて楽に登れました。

滑り止め手袋

滑り止め付きの手袋も必須です。リンクは僕が用意したものと少し異なりますが、おおよそこのような感じの手袋を購入しました。

足と手が滑らなければ木登りはずいぶんと楽になります。

リュック

ドローンが引っかかっているのはかなり上の方なのでとても危険です。万が一、一番上から滑り落ちると骨折や大怪我もあり得るくらいの高さです。

木の上でドローンを救出しても、下に降りる時に片手がふさがっていると危険なので、ドローンは木の上で背中のリュックにしまいこみました。

おかげで両手でしっかりと体を支えながら時間をかけて慎重に降りることができました。

ロープ

以下の木登りの動画を参考にさせていただきました。

動画で使用している足縄用に短いロープを用意しました。実際にはこの方法で登りませんでしたが、動画を見てなんだか木に登れそうな勇気を頂けたのでリンクを貼らせていただきます。

足縄による木登り(基礎編)

ドローンを落とさないために

個人的に考えた「ドローンを落とさないために必要なこと」です。もちろん操縦技術や知識など、テクニック的なものは必要になりますが、それだけではありません。

どんなベテランでも過去に1度や2度はドローンを落としてます。大事なのは、失敗から学び、ドローンを落とさないための努力を怠らないことです。

飛ばす前に周囲の状況を念入りに確認

現場に到着して適当に飛ばし始めるのではなく、飛ばす前に周囲に目を配ることが重要です。飛ばす想定位置(高度的)に障害物がないことを入念に確認します。

極端な話、障害物さえなければ、電波障害や鳥との衝突、などの不慮の事故でもない限り、ドローンは落ちません。

速度を出しすぎない

引きで撮影すると、速度感がまるで出ません。

ドローンは高速で飛ばしていても、映る映像は比較的ゆっくりであるため、モニターだけを見ているとドローンの速度に気が付きません。これが初心者にありがちな盲点だと思います。

今回の原因がまさにそれで「あっ!」と思った次の瞬間には桜の木が一気に近づいてきて、とっさに上昇を試みましたが、ドローンの速度が思っていた以上に速かったため、間に合わずそのまま桜の枝の中に突っ込むこととなりました。

フルスピードのドローンは意外と速いです。

PモードではGPSの位置補正機能により、操作をやめればドローンは自動的に逆舵が当てられてその場に留まろうとしますが、スピードによっては慣性が働いているため、すぐには静止できません。

バッテリー残量

バッテリー残量にも常に気を配りたいものです。

今回のような早朝撮影時には気温も低く(今回の気温2℃)、バッテリーはとても不安定です。

まだまだ残っていると思ったら、次の瞬間には急に残量表示が落ちているなんて場合もあるかもしれません。気温の低いときにはなるべくなら飛ばさないほうが良いかもしれません。

機体のメンテナンス

飛ばす前に、最新のファームウェアの確認、定期的なIMUキャリブレーション、現地でのコンパス補正などはマメに行うと良いと思います。

その他に、個人的に思うのは、飛ばす前には機体全体を拭いてあげると良いと思います。

車の手洗い洗車をしたことがある方なら分かるかもしれませんが、洗車をしていると、普段は気が付かない小傷等に気がつくことがあります。これと同じで、ファントムのボディを拭いてあげると、普通では気が付かない小傷や重要なクラック、プロペラの変形や破損に気がつくかもしれません。

そんなに時間のかかることではありません。飛ばす前には愛情を込めて機体を拭いてあげましょう。

まとめ

ドローンを落とさないために まとめ

悪いのはほとんどの場合、操縦者

今回の事故では、暴走したわけでも、コントロール不能に陥ったわけでもなく、ドローンはあくまでも「全速直進」という命令を受けて飛んでいただけでして、何も悪くないです。

命令したのは操縦者である僕。注意力、確認不足からくる痛い失敗だと思います。

何よりも機体が無事でよかった

Youtubeでは、ドローンが水没したり、回収不可能なところに落ちたり、落下の衝撃で大破したり、そのままいなくなったり、という不幸な事例よく見かけます。

今回の事故は、木の枝に引っかかったというだけで、地面に叩きつけられたわけでもなく、ジンバルやカメラも奇跡的に無事、プロペラは一部破損していますが、機体本体には何も影響はありませんでした。基盤が濡れていると電源投入時に壊れることがあるらしいので、丸1日、室内で乾燥させてから電源を入れました。

動画はドローン救出後、室内でテスト飛行した時のものです。部屋汚くてすいません。

Phantom3 室内テスト飛行 (DJI Phantom3 indoor test flight)

木に引っかかったおかげで、機体自体の致命的な損傷は防がれたのかもしれません。

天候にも恵まれ、機体は大自然の中で丸一日過ごしましたが、そのまま雨に当たることもなく、まさに不幸中の幸いでした。

色々な偶然が重なって、僕のドローンはまだまだ元気に飛んでいます。この失敗を今後に生かして、ドローン人生を歩んで行こうと思っています。

ドローンを落とさないための技術を磨くこと。これからの課題となりました。

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